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労災事故~転倒事故【弁護士が解説】
下川絵美
弁護士法人晴星法律事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。当事務所は、広島に地域密着で、個人法務(離婚・相続・交通事故・労働災害・借金問題等)から、企業法務(予防法務・企業内トラブル・企業間トラブル等)まで、幅広い分野の案件を取り扱っております。 様々な法的分野のお悩みを抱えている方のお力になれるよう,所員一同,全力でサポートいたします。 広島で,法律トラブルを抱えておられる方は,お一人で悩まず,お気軽にご相談いただければと思います。

業務中に、物や段差につまずいたり、足を滑らせて転倒し、けがを負うことも少なくありません。業務中の転倒事故の原因は、転倒防止のための安全教育が行われていなかったこと、滑り止め等の措置がとられていなかったこと、立ち入りが禁止されている場所に労働者が立ち入って作業していたこと等様々です。 

転倒事故は、労災事故の中でも他の類型に比べて多く、特に「休業4日以上の死傷者数」の中では大きな割合を占めています。

また、転倒事故は、様々な業種で広くみられる事故態様ですが、中でも小売業、社会福祉施設及び飲食店で多く発生しています。

業務中に転倒して負傷した場合、労災認定を受けることで労災保険給付を受給することができます。また、転倒事故の発生について会社等に責任があれば、会社等に対して損害賠償を請求することができます。

労災申請とは

労災保険制度とは、労働者災害補償保険法に基づき、業務災害や通勤災害によって負傷や疾病にり患等した労働者に対して、保険給付を行う制度です。

労災が認定されるためには業務上の負傷であることが必要であり、そのためには、業務遂行性と業務起因性が要件となっています。

業務遂行性

業務遂行性とは、労働者が労災保険の適用される事業場に雇われて、事業主の支配下にあるときに発生した災害であることをいいます。業務遂行性が認められるケースは、以下の類型に分けられます。

①事業主の支配・管理下で業務に従事している場合
 所定労働時間内や残業時間内に事業場施設内において業務に従事しているような場合です。

②事業主の支配・管理下にあるが業務に従事していない場合
 昼休みや就業時間前後に事業場施設内にいて業務に従事していないような場合です。

③事業主の支配下にあるが、管理下を離れて業務に従事している場合
 主張や社用での外出などにより事業場施設外で業務に従事しているような場合です。

業務起因性

業務起因性は、業務遂行性を前提として、業務が原因となって災害が発生したことをいいます。例えば、事業主の支配下にあるときに発生した災害であっても、労働者が故意に災害を発生させた場合や、労働者が私的行為を行い、それが原因で災害が発生した場合などには業務因性が認められないこともあります。

また、労災が認定された場合に支給される主な保険給付は以下のとおりです。

・療養(補償)給付
労働災害による負傷や疾病の治療費、治療関係費が支給されます。

・休業(補償)給付
労働災害による負傷や疾病による休養のために労働することができず、そのために賃金を受けていないときに、休業の第4日目から支給されます。

・障害(補償)給付
労働災害による負傷や疾病が治ったときに、一定の障害が残った場合に支給されます。

・遺族(補償)給付
労働災害が原因でお亡くなりになった労働者の遺族に支給されます。

・埋葬料(埋葬給付)
労働災害が原因でお亡くなりになった労働者の埋葬を行った遺族等に支給されます。

労災申請は、被災労働者の所属事業場の所在地を管轄する労働基準監督署(二次健康診断等給付は所轄労働局長)に所定の保険給付請求書を提出することによって行います。

被災労働者自身が労災申請手続きを行うこともできますが、会社が被災労働者に代わって労災申請手続きを行ってくれることもあります。

なお、会社から労働災害ではないから労災申請ができないと言われることがあります。労働災害に該当するかどうかを判断するのは会社ではなく労働基準監督署ですので、業務中に発生した事故であれば労災申請手続きをしましょう。

会社等に対する損害賠償請求

労働者が労災保険の適用される事業場に雇われて、事業主の支配下にあるときに、業務が原因となって発生した災害によって負傷した場合には、労災保険が支給されます。そして、労働災害には、使用者である会社側に落ち度がない場合もありますが、会社側の不注意によって発生した場合もあります。

このうち、労働災害の発生に会社側の落ち度がある場合は、会社に対して損害賠償を請求することができる可能性があります。

なお、労働契約関係にない元請に対して損害賠償を請求することができる場合もあります。

転倒事故における具体的な会社等の責任の一例は、次のとおりです。

  • 転倒防止のための安全教育がされていなかった
  • 滑り止め措置等の措置がとられていなかった
  • 労働者に無理な業務を行わせていた

会社等に対する損害賠償請求は、労働局に対して、保有個人情報の開示請求を行う等により資料を収集し、会社に対して通知等をする方法により行います。

損害賠償請求に対して、会社と合意をすることができれば示談が成立し、合意することができなければ、労働審判や訴訟といった裁判所を利用した手続を検討することになります。

業務中の転倒事故でお悩みの方は弁護士にご相談ください

労災事故によって負傷や疾病にり患すると、被災労働者には心身ともに多大な負担がかかります。仕事や生活環境も急激に変化するので、その変化にも対応していかなければなりません。

そのような状況で、会社に対する損害賠償請求をご自身で行うことは困難を伴います。

弁護士にご相談いただければ、個別の事情に応じて、労災申請や会社に対する損害賠償請求について具体的なアドバイスを受けることができます。

また、弁護士に任せれば、労働局に対する保有個人情報の開示請求等の資料収集から会社等に対する交渉まで代わりに行ってくれます。

業務中の転倒事故に遭ってお悩みの方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。